俺はAIに聞いてみることにした。 「海賊になりたいんだが?」 「海賊だって・・・」 AIはしばらくの沈黙の後、「海賊になればいいさ、俺は止めないぜ」 相変わらず俺の使っているAIは無愛想だ。 格安サブスクAIを契… 続きを読む 幽霊船
そんな風を感じた時には
今日は近所で路上マーケットが開かれる日、いつものようにそのマーケットへ花を買いに行く。 道すがら気まぐれな風が何かを囁くように俺を追いかける。 * I’m going, goin… 続きを読む そんな風を感じた時には
ボンベイコーリング
インドのムンバイがまだボンベイと呼ばれていた1980年の話だが、この街には多くのジャンキーが座礁していた。 理由は単純明快だ。 安くしかも簡単にホワイトシュガー、ブラウンシュガーを手にいれることが出来たからだ。 ジャ… 続きを読む ボンベイコーリング
カオスな世界
「さすがにこれじゃ仕事もやりにくいなぁ・・・」 「やりにくいもなにも地球からの探査船で全部バレてるじゃないですか、所長。 それにしてもあんなに高性能だったとは・・・、しかし事故に見せかけて岩でもぶつけていれば」 「… 続きを読む カオスな世界
アスワン、そこには風の塔
1980年代の初め、エジプトからスーダンへと陸路で入るには二泊三日の船旅でアスワンからダム湖を遡るか、ラクダかトラックでひたすらに数千数万の砂丘を越えて行くしかなかった。 船が一般的な選択肢になるのだが、その週一便の船… 続きを読む アスワン、そこには風の塔
サンタクロースからメリークリスマス
「なあクソ餓鬼よ、最近どうも仕事が面倒で」 「なんだ、また愚痴かよサンタ」 「アンタぐらいしか俺の愚痴を聞いてくれるのがいないんでな」 「お前、仕事のわりに友達が少ねえからな」 一年に一週間ほどしか働かず後はト… 続きを読む サンタクロースからメリークリスマス
さあ、ネコになろう
最近の長い長い不景気のためか会社ではサービス残業が益々増え、しかも給料は反比例的に減るという悲惨な世の中になっている。 こんな世の中になるだろうと数十年前から誰もが想像していたが大昔の大繁栄を忘れられず、気付けば皆んな… 続きを読む さあ、ネコになろう
Non Stop Train
「この列車は止らないぜ」 「ああ、分かってる」 「なら乗ってみな」 俺がこの列車に興味を持っていることを知られていたのか、乗ってみないかと誘われたのだが・・・、しかしこの列車の行き先を俺は知らない。 だが列車に乗… 続きを読む Non Stop Train
えっ、パンク系路上パホーマンスだって?
オランダの冬は寒い。 凍った運河でスケート大会が催されたり、バスキングではフルートの先端から氷柱が下がるほどには寒い。 俺が住んでいるスクワットハウスには暖房が無いので家の中でも寒い。 余りにも寒い夜には家具や壁板… 続きを読む えっ、パンク系路上パホーマンスだって?
自由都市サンクトモロビッチ
大宇宙と外宇宙との境界近くに位置し、海賊達が愛してやまない自由都市サンクトモロビッチ。 そこは海賊達の自意識を心優しく理解してくれる慈愛に満ちた小さな港町だった。 すべての物に、すべての行為にTAXが付きまとうこの大宇… 続きを読む 自由都市サンクトモロビッチ