「鳥だ! 飛行機だ! いや、スーパーマンだ!」
人々は彼が空を飛んでいる姿を見て、そう叫んだ。 その叫びを聞いた彼は、なぜ人々は自分のことを “スーパーマン” と呼び、”フライングマン” と呼ばないのかと不思議に思った。
彼をスーパーマンと呼び、スーパーマンだと信じる人々は彼に多くのことを期待した。 確かに彼はスーパーマンのように、人々の色々な問題を無償で解決してくれた。
人々は確信したーーー彼は紛れもないスーパーマンだと。 彼は神様が与えてくれた奇跡。 そして彼が問題を解決するのは、神様が彼に与えた使命だと。
しかしある日、彼は空を飛ぶだけで問題を解決しようとしなくなった。 それは余りにも突然のことだった。 結果、彼が解決すると思われた、解決することを期待された問題は解決されずに、世界中に溢れ返った。 それでも人々は、彼に期待した。 神様からの贈り物、スーパーマンは人々の期待を裏切ることは絶対にないと・・・必ず問題を解決してくれると信じ、そして祈った。 しかし彼は笑顔で飛び続けるだけで、決して地上には降りてこなかった。
やがて人々は彼の飛ぶ姿を見て、こう叫ぶようになった。
「鳥だ! 飛行機だ! いや、ヤツは糞だ! 裏切り者だ!」