雨の夜空に浮かぶのは巨大な光の輪、それは観覧車。 夜になると煌めく電飾に飾られ動き出す観覧車、それは何時も無人。 そして誰も観覧車が回り続ける理由を知らない。 分かっていることは、あの観覧車は誰も近づくことの出来ない別… 続きを読む 観覧車 03
投稿者: tokoma-trip
真冬のホットスプリング
「トコマ、ホットスプリングに行こうぜ」 「ホットスプリングだって?」 「そうさ、野外のホットスプリングだ」 「それは最高かも、ジョン」 「けっこう有名なスポットだが、冬は雪に埋もれるから誰も行かない。 だから冬… 続きを読む 真冬のホットスプリング
白いペンキの線
「もっ、もしかして・・・、クソ餓鬼?」 「俺のことか? 見たら分かるだろう、ガキの姿で頭の上にクソが乗ってるだろうが」 「あぁ、確かに・・・」 「何か不満か、”お客様大歓迎” の旗でも持っていると思ったのか?」 … 続きを読む 白いペンキの線
さて、引越しをしよう!
ギリシャからオランダに引越すことにした。 まあ理由はいくつかある。 例えば三ヶ月毎に更新しなければならないビザだったり、素晴らしい場所でも長くいると飽きてくることもあるし、ギリシャの夏の暑さが嫌になったとか、一度はアム… 続きを読む さて、引越しをしよう!
蜃気楼
今では観光客とサーファーで溢れるメキシコはオワカ州、ジポリテのビーチ。 しかし80年代初めのプエルト・アンヘルはまだ小さな田舎町で数キロ続くジポリテのビーチにも人影はまったくなかった。 遮るもの何もない太平洋の向こう… 続きを読む 蜃気楼
かぐや姫恵美子
「幸恵、一緒に行ってくれる?」 「もちろん行くわよ、今回のことは私も責任を感じてるしさ」 「幸恵ならそう言ってこれると思ってたわ」 「で、期間はどれくらいなの?」 「未定だってさ」 「あんな大騒ぎを起こしたん… 続きを読む かぐや姫恵美子
世界征服装置 Part 2
月光堂は江戸時代から続く老舗の六代目として、和菓子屋月光堂の更なる繁栄をご先祖様に誓っていた。 しかし昨今のパテシエ人気の華やかさとは隔絶した和菓子の世界、当然のように月光堂の売上はジリ貧右肩下りがりで平常運転。 だが… 続きを読む 世界征服装置 Part 2
世界征服装置 Part 1
「聞け、銀次。 俺は、世界征服をする!」 いつもの居酒屋で呑んでいた和菓子屋の月光堂がいきなり立ち上がり叫んだ。 酔っても冗談のひとつも言わない生真面目一本の月光堂だが、今日は悪酔でもしたか。 「世界征服だって! … 続きを読む 世界征服装置 Part 1
ベオグラードにメリークリスマス
「そっちの金を見せてくれないか?」 「いいけど」 三人のアラブ人、そして彼らの後ろには少し離れて二台の車が月明かりの下に。 一台は古い大衆車だがもう一台は黒塗りピカピカのメルセデスのSクラス。 メルセデスの後部座席… 続きを読む ベオグラードにメリークリスマス
レイク・トルカナ
1980年代、アフリカ旅行がまだまだ良い意味での冒険旅行の香りが残ったいた頃、普通に観光客としてサファリツアーを探すと結構な料金を取られた。 結果タンザニアではローカルバスと徒歩でンゴロンゴロ保護区まで行き、ローカルな… 続きを読む レイク・トルカナ