ランチ前の仕事

 「ところでスパイク、最近テッラ島の状態があまり良くないようだが、報告書は届いているかな?」  「はい、キャプテン。 調査の一次報告書が届いています」  辺境の地にあるテッラ島、正確には惑星ーーー辺境探査船乗りの慣わしで… 続きを読む ランチ前の仕事

ベアフット・ジョン

 私がベアフット・ジョンに会ったのはメキシコ、パレンケ遺跡近くのキャンプサイト。 そのサイトは、茅葺のあずま屋の柱にハンモックを吊るして寝るという、いたってシンプルにして快適な仕様になっていた。 もし問題があるとすれば、… 続きを読む ベアフット・ジョン

歴史的な決断

 「総理、野党が内閣不信任案を提出しましたが?」  「えぇ〜、では解散します」  「総理、やはり総選挙ですか」  「違います、国を解散します」    

役者 Kamikaze

 アムステルダムの運河沿い、ごく一般的な住宅街のアパートの一室。 イギリス人から仕事としての1キロ、そしてプライベート用の30グラムプレート4枚を受け取る。 ビジネス品と自分用では値段に四倍近くの開きがあるが、それだけの… 続きを読む 役者 Kamikaze

カミカゼライダー

 夕方のモナスティラキ、パルテノンを仰ぎ見るローカルカフェ。 一杯のギリシャコーヒーで友人達と怠惰をむさぼる、ギリシャライフ。  私のバイクの話になったーーー50年代のBMW、R51にサイドカー。  いったい何人乗れるの… 続きを読む カミカゼライダー

空を飛ぶ人 Part 3

 「確か彼は、年金生活に入っているのでは・・・、何であの星に?」  「ちょっとした手違いで、彼の帰国便があの星止まりになりまして」  「まあ、私達は神様じゃないですからねぇ、そういうことも起きますよ」  「幸いにも、彼が… 続きを読む 空を飛ぶ人 Part 3

空を飛ぶ人 Part 2

 彼は飛び続けた。 青い空と碧い海、そしてほんの少しの雲しか見えない世界を、彼は飛び続けた。 彼には目的地も、理由もなかった。 彼は飛んでいることが楽しく、そして幸せだった。  人々は飛んでいる彼を見つけると、叫んだ。 … 続きを読む 空を飛ぶ人 Part 2

アフリカの風

 ロッテルダム、アウデ・ビネン通りのカフェ。 いつものカウンター席に座り、通りを眺めながら紅茶にジョイント・・・それはバスキング前、朝のルーティン。 一年に300日雨が降るといわれるオランダ、しかし今日は朝から青空が広が… 続きを読む アフリカの風