「ヤチェック、なんとかなりそうか?」 「思った以上に、難しいかと・・・」 「やはり難しいか」 「でもキャプテン、可能性はあります」 NA-1593 の番号しか付けられていない、辺境惑星。 その惑星の周回軌道上、… 続きを読む 冒険者達のカケラ
屋根裏部屋のマリア
ドアは開かない。 三週間ほど前に、バールでドアをこじ開け住み着いたこの家。 このブロックは来年早々のリノベーションが決まっており、住めるのは長くても半年ということで、鍵は付け替えなかった。 代わりに、ドアの郵便受けか… 続きを読む 屋根裏部屋のマリア
黄色い小さなカップは、携帯ATM
九月終わりのクレタ島。 ハイシーズンのカオスからだいぶ落ち着きを取り戻した、ハーニアのオールドタウン。 午後の気怠さに誘われて、ベネチアン、ハーバーをぶらついてみる。 「ヘイ! トコマ」 俺を呼ぶ声に、辺りを見回す… 続きを読む 黄色い小さなカップは、携帯ATM
ウエストコーストの片田舎、ロズリン
カルフォルニア、モドック・ナショナルフォーレストでのレインボー・ギャザリング。 五日間を過ごし、シアトルまでの足をして見つけた小型キャンピングカー。 ローカルハイウエー経由、ガソリン代折半で一週間の予定だったが四日目、… 続きを読む ウエストコーストの片田舎、ロズリン
誰も知らないレインボー・ギャザリング
”レインボー・ギャザリング” 私がそのイベントを知ったのは、1984年の春先。 ガテマラ、アンティグアの小さなカフェで貰った小さなチラシだった。 ”Rainbow Gathering in Mount … 続きを読む 誰も知らないレインボー・ギャザリング
鴨
まあ、皆さんもご存知かと思いますが、世界各地にはボッタクリバーとか、両替サギ、紛い物商売などなど、色々とございますが・・・と、いうことで短い、短い小咄でも、はい。 * 「いい、かも」 「あ… 続きを読む 鴨
旅とハーレー・デビットソン
「俺は、旅に出る!」 俺は今日、昼休みに会社の事務所で宣言した。 誰も俺を止めなかった・・・というより、事務所にいた全員が拍手喝采で、俺の退職を歓迎した。 ここ最近、会社は業績の下降が止まらず人が余っている。 それぞ… 続きを読む 旅とハーレー・デビットソン
ケベコワ
北米カナダの片隅で、頑なにフランス人にも通じないフランス語を話しているカナダ人、ケベコワ。 旅行者の間では、”ケベコワに会ったら気をつけろ、ヤツらはクレイジー” と言われているケベコワ。 そんなケベコワに遭ったのはケニ… 続きを読む ケベコワ
海賊船
「キャプテン、特別キャンペーンでも就職希望者がゼロです」 「やはりそうか、予想はしていたが・・・、ところでキャビックには話してくれたか?」 「キャプテンを裏切るようなことは絶対にない、と言ってました」 「キャビッ… 続きを読む 海賊船
旅っぱなし
「迷ってる」 列車の時間待ちで入った駅のカフェ。 睡眠不足の気怠さを引きずりながら、混み合った店内に席を探す。 俺の目に止まったのは、男が一人座るボックス席。 その男には、ある種の雰囲気があった。 例えば夏の終わりの… 続きを読む 旅っぱなし